暑いです。
電車の中で子どもたちがきゃあきゃあ言っています。
窓の外はだんだん建物が消えて、視界いっぱいに緑色が広がります。
夏休みが来るんだなあ。
先日、DIC川村記念美術館で開催中の「サイ・トゥオンブリーの写真—変奏のリリシズム—」を
見に行きました。
サイ・トゥオンブリーは、数年前に図書館で偶然手に取った写真集がきっかけで好きになりました。
実は写真よりも「子どもの落書き」みたいなドローイングやペインティングが有名な作家ですが、
当時は知りませんでした。
展示作品の中にベッドを上から撮影したモノクロ写真(作品リストに「ベッド」とあったので
そうだと思う)があって、白いシーツに寄ったしわや微妙な陰影を見ているうちになぜか、
ああ、夏休みってこういうものだ、と考えました。
一見平らな布の、波うつところ。重なるところ。ひだの部分。
1学期と2学期のあいだの、独立した濃い時間。
終業式に「みなさん9月に真っ黒な顔を見せてくださいね!」と言われるあの感じ、
なんだったんだろう。
大人になると、もうあの頃のような夏休みはありません。
でも宿題もないよ、とちょっと自慢したくなります。
飛躍しましたが、ノスタルジックで優しい眼差しが感じられるトゥオンブリーの
写真展、おすすめです。
コレクションもすてきな美術館ですよ。
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