帰ろう

今にも天気が崩れそう。

 

雲がすごい速さでぐんぐん走ります。

湿っていて、重たい空気です。

 

夕方の電車は、帰りを急ぐ人でいつもより込んでいました。

スマホをいじったり、眠ったり、窓の外を見つめる人でひしめく中、

隣の人が開いているハードカバーをちらっと覗いてみます。

児童文学っぽい雰囲気だけど、何の本かわかりません。

とりあえず、マーリーンという登場人物が出てくるらしい。

どんな話でしょう。

 

大きく揺れるたびに人にぶつかってしまい、落ち着かない車内。

そんな中でいきなりのアナウンス。

「はい、わかりましたあ。了解です」

2秒ほどして

「失礼しました」。

ちょっと緊張がゆるんだ瞬間。

 

 

運良く、帰り着くまで傘をささずに済みました。