おこわ

留守中、誰かが家に侵入したらしい。

鍵をかけて出掛けたはずなのに。

やられた、という悔しい思いでなりません。

 

荒らされた形跡はほとんどなく、家の中は比較的片付いて

いました。

ただ、侵入者はお腹がすいていたらしく、わたしが近所の人から

おすそわけしてもらったおこわが、食べかけのまま残されていたのです。

 

どんぶりの中、三分の一ほどえぐられたおこわはまだ温かく、湯気が立って

います。

ああ、やっぱり悔しい。このおこわ、食べるのを楽しみにしていたのに、

もう食べられない––––

 

 

と、いう夢を見ました。

夢でよかったなあ。