材料はなるべく新鮮な卵、 酢、お好みで油少々です。
まず、卵の殻を割り、卵黄と卵白をわけます。
卵黄を指でつまみ上げ、一箇所を針などでつつくと、
膜が破れ、中の黄身を取り出すことができます。
この黄身に、酢、油を入れて混ぜれば準備は完了です。
今回は料理の話ではありません。
今作ったのはテンペラ用の展色剤、つまり絵の具のもと
なのです。
「絵の具」は、色の粒である「顔料」と、その顔料を
画用紙やキャンバスに接着する「展色剤」から成っています。
絵の具の違いは、主にこの展色剤の違いで、例えば展色剤に
アラビアゴムというものを使えば「水彩絵の具」になり、
アクリル樹脂を使えば「アクリル絵の具」に、油を使えば
「油絵の具」になるのです。
「テンペラ(卵テンペラ)」は、油絵の具が発明されるより
ずっと前から使われてきた絵の具のひとつです。
ジョットとか、ボッティチェリとか、近代だとアンドリュー・
ワイエスなどの巨匠が用いたことで有名ですが、材料としては
とてもシンプル。
通常キッチンにあるもので作れてしまうことが、ちょっと意外
です。
(参考:「テンペラ画ノート」
株式会社視覚デザイン研究所 1990年)
コメントをお書きください