つねひごろ

久しぶりに映画を見ました。

現在大ヒット中のアニメ映画でも、迫力のサスペンスでもなく、

静かなドキュメンタリー。

「カレーライスを一から作る」という作品です。

 

内容はまさにタイトルそのもの。

「一から」カレーを作るため、畑で野菜や米やスパイスを育て、

土をこねて食器をこしらえ、海水を煮て塩を採り、鳥まで飼育

するのです。

武蔵野美術大学、関野吉晴教授と学生たちの、約ヶ月の活動の

記録です。

 

映画を見ながら、わたしは自分の「日常」について思いを巡らせて

いました。

 

人間は毎日、他の生き物の命をわけてもらって生きています。

でもこのことを、自らの生活に一体どこまで引き寄せて考えられて

いただろうか。

わたしたちが通常「日常」と感じていたことが、実は全体において

かなり小さな部分にすぎないのではないか、と。

 

育て、屠り、食べるといったひとつのつながりがあって初めて、

人間の生活を象っているということでしょう。

そう考えると今まで平面的な形でしか捉えられなかったものが、

別の角度から新たな輪郭線を与えられて、立体的に立ち上がって

くるような気がしました。

 

見たばかりの映画の感想を述べるのは、まだ消化しきれていない

部分もあって難しいですね。。

漠然とした文章で申し訳ないですが、気になる方はぜひ劇場で

実際にご覧ください。

 

http://www.ichikaracurry.com/