買い物と冒険

たまに大きな買い物をすると、緊張してどっと疲れてしまう。

 

大抵はどうしても必要なものを買うので、決して無駄遣いではないのです。

でも、せっかく買ったものが使ってみたら期待はずれだったり、

活かしにくいものだったら、いやだなあと考えます。

金額が大きいほど、プレッシャーも大きくなるわけです。

 

「エルマーのぼうけん」(R.Sがネット作 わたなべしげお訳 福音館書店)は

子どもの頃とても好きだった本です。

物語のメインはもちろん、りゅうを助けに行く冒険のシーンですが、

わたしは旅立つ前の荷物の準備をするところが好きでした。

 

エルマーは、「チューインガム」とか、「ももいろのぼうつきキャンデー2ダース」

とか、「むしめがね6つ」とか、様々なものを買い集め(台所から持ち出し)ます。

どれも子ども心に魅力的なアイテムながら、一見とりとめなく感じます。

ところが、いざ旅の途中で困った出来事に遭遇したとき、エルマーはそれらを

鮮やかに役立てて乗り越えていくのです。

エルマーのアイテムは、実用性においてもうなるほど見事です。

 

エルマーはきっと、買い物上手なのでしょう。

冒険には勇気が必要だけれど、その準備のための買い物にも、ある種の勇気や決断力が

求められる気がするのです。

難しいけれど、きっと良い買い物をすれば、それに応えて新しい道が開けていくような

気がします。