ムクドリ

誰もいないはずの部屋で、気配を感じたことはありませんか?

とあるお宅の、普段使っていない部屋で、本当にあったお話

(一応断っておくと、ホラーではありません)。

 

数日ぶりに雨戸を開けて、部屋の空気を入れ替えた時のことです。

どうもおかしい。外が異様に騒がしいのです。

 

んぎゃああああ

ぎょえええええ

 

お世辞にも美しいとは言えない鳥の声。

必死に何かを訴えていますが、あいにく鳥語はわかりません。

 

謎をとく鍵は、雨戸にありました。

戸袋の中に、大量の藁のようなものが詰め込まれているのです。

他にも、ゴミクズや鳥の羽根など、明らかに何者かが潜伏している

痕跡が。

 

おそるおそる奥の暗がりに目をこらすと、なんと!!

 

 

あの部屋で片付け物をしていると、何かいるような気がして

いたんだよね、とのこと。

調べたところ、まったく同じような形でムクドリが営巣していた

例が、他にもあるようです。

閉めっぱなしの雨戸の戸袋に忍び込むとは、なるほどなあ。

雨風がしのげて、猫などに襲われる危険もありませんからね。

 

あの時目が合ってしまったヒナたちは、ヒナと呼ぶにはもう大きすぎる

ほどで、それから1週間後にはすっかり巣立っていたのでした。