効用

熟しているし、ぶつけたてっぺんのところがいたみかけているから

早く食べて。

そう言われて渡された、桃ひとつ。

 

冷蔵庫で冷やして皮をむき、半分は朝、もう半分は夜に食べました。

とろりと甘く、みずみずしくておいしい。

暑さで動けなくなった体に桃の果汁が染み渡ります。

 

にわかにしゃっきりしてきて、ごはんを炊き青菜を茹で、洗濯物の

部分洗いとアイロンがけとさらに積み上げていた用事をいくつか

片付けることに成功。

恐るべし。桃ひとつがこんなにわたしを動かすとは。

 

だてに桃太郎も生まれてないな、と妙な結論に落ち着いたのでした。