「旅する力 深夜特急ノート」(沢木耕太郎 新潮文庫、2011年)、
知り合いに貸すつもりで引っ張り出してきた本を、結局自分で
読み返してしまっています。
わたしにはどういうわけか、以前からシベリア鉄道に乗ってみたいという
夢がありました。
たまたますてきな写真集を見たせいもありますが、
長くて、おそらく冬は真っ白な雪原を、ただ列車に
乗って走ってみたい、非日常を突き進んでみたい。
つまりは旅という存在への憧れの表れなのだと思います。
深夜特急ではシベリア鉄道に乗りませんが、あらためてこの本を読むと、
これこそわたしが憧れている旅の質感なのだという気がしてなりません。
身体中がざわざわするほど楽しくて、困ったこともあって、怖くて、
そして寂しくて。
旅に出た当時の「僕」は26歳ということになっています。
今のわたしとほぼ同年代なのだと、ふと感じました。